カテゴリ: thrash

南米の、この手のスラッシュにしてはそれなりに腕はあるものの、やはり人に対して勧めるにはいささか良心が痛むような、文字通りのポンコツスラッシャーです。
昨今世界中にアホほど出現しては即座に消え去ってゆく、所謂リバイバルスラッシャーと呼ばれるようなオールドスクールスラッシュの焼き直ししか行っていないような輩、それらを彷彿とさせるしょうもないロゴマークを冠してこそいますが、音は正真正銘のポンコツスラッシュであります。
全編通して同じ音です。ただひたすらに、闇雲にガチャガチャと走り続けています。例えるならば、slayerとsepulturaを足して2で割った後にトドメの10分の1倍をしたようなそんな音ですね。どうしようもないような例えですが、本当にどうしようもない音ですからそんなことは気にするべきではないのです。
しかし、安心するべきか否か、南米にはこのバンドのこの音をはるかに凌駕するくされを超えたくされ、それこそ手のつけようがない大魔王たちが地下には潜んでいるのです。よりによってそういう連中に限ってなぜか活動期間が長いのだから恐ろしい話です。
それを踏まえた上でこのバンドのこの音を聞くと、ひどく優れた音であるように思えてきます。良いではないですか。暴れ倒したいという心意気が痛いぐらいに伝わってくるこの音。ぼくにとってはこのような音こそが至高の音であります。少なくとも、metallicaやiron maidenなどのような最早金字塔と化しているような超一流バンドや、attomicaやtoxodeth、reencarnacionのような劣悪極まりない地下の大魔王バンドよりも、よっぽど人間らしい雰囲気のある音であると感じますよ。体の内から限りなく溢れ出るパワーを、こうやってある程度まともな音で表現することが出来る。それはある意味、類いまれなる素晴らしき才能なのかもしれません。


注目曲
3. Butcher, 7. Immortal Force

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強烈なルックスとかわいらしいアイドル声を兼ね備えた、ある意味holy mosesのサビーナグラッセンとまるで相反するような特徴を持つボーカルを擁する、異様に個性の強いスラッシュメタルバンド、znowhite。そのバンドに在籍していた、これまた強烈と言うかメタル界に於いてあまりその類を見ない、黒人のメンバーにより結成された、実質znowhiteを前身とした、そのバンド以上に個性の強いバンド、それがこのcyclone templeです。
限りなくマニアックなバンドとして、スラッシュの歴史の渦の中に埋もれてしまった存在ですが、そうなってしまった理由がまるでわからないような、非常に上質で濃密なテイストが醸し出されているように思われます。
アルバム全体が叙情的なメロディやフレーズに溢れ、無論スラッシュ本来の攻撃性もたっぷりで、metallicaのように売れたのではという可能性すら感じます。メロディックなスラッシュメタルなどというのは、forbiddenやtestamentなどでは決してなく、このバンドのことに他なりません。ここまで耳に残る歌メロをかけるバンドが、彼らの他に果たして存在しましょうか。そして、このバンドの魅力はこのメロディーだけに留まらず、哀愁を帯びたそのボーカルにもたっぷりと関係してきます。よくもまあ、ここまで曲に合った声質のボーカルを見つけ出したものだと感服いたします。マイナースラッシュの枠に留まらないその才能は、その時点で既に確立されていたのです。
なぜこのバンドがこれほどまでにマイナーなのか本当に不思議でなりません。スラッシュ界だけでなく、メタルという世界に置いて前線に立っていてもほとんど差し障りなさそうな音ではありますが、一体何がいけなかったのか。metallicaの2nd、forbiddenやtestamentの1st、artilleryの3rdあたりが好きな人ならば必ずやドツボにハマる音であると見て良いでしょう。売れる可能性を秘めていても、結局誰にもその才を認められることなく散りゆく。90年前後のスラッシャーたちの哀しみに満ちた宿命を、文字通り体現した隠れすぎた名バンドでした。


注目曲
1, Why, 3. Words Are Just Words, 6. I Hate Therefore I Am

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US産、何も褒めるところのない正真正銘のくそメタルです。テクニックがあるでもないのに曲は無駄に長く、曲の内容自体何も特出した点はなく本当に面白みがない。強いて言えば、吸い上げるような妙な歌い方をするボーカル、それだけ趣があってよろしい。
他に語ることなど何もありませぬ。最近、どこに需要があるのか全く不明な再結成を果たしましたけれども、こちらとしては何も嬉しくないどころか、どうして復活などしようという気になったのかが不思議で仕方なくなるってものであります。くそメタル愛好家でもこんなもの避けて通りそうだというそういう次元です。ここまで清々しいポンコツ具合、最早これにはごみメタルの称号を与えるのが身の丈に合っていると思われますね。はい。


注目曲
なし

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かねてよりこのブログでレヴューしてきていた、NRRというへっぽこレコード会社。このバンドは、そのレーベルのポンコツバンド郡の中でも割にトップクラスと言って差し支えないであろう真っ当な音を出してはおりましたが、同時に某日本最大のへヴィメタル雑誌のレヴュー項目では、音楽であるということすら認めてもらえなかったという逸話も持っています。
音のこもり具合はやや気になりますが、slayer直系の非常に質の高いスラッシュを展開してくれています。slayerを更にヤンチャにし、exodusのゼトロのようなタイプのボーカルに差し替えたような、そういう色です。ギターソロから何からモロslayerですが、個人的にslayerはすきでもなんでもないようなバンドなので、この音はslayerよりよっぽど、とても心地よい。余談ですが、このバンドのドラマーはそのslayerに加入要請された経験があるようです。それがまたすごいところですし、この質の高さにも直結しているわけなのですね。
これを聞かずしてスラッシュは語れませぬ。ましてや、メタル専門誌に勤めておきながらこれを音楽として認めないなどと抜かすは、最早メタルを聞く資格すら持たないということの何よりの証明であります。この作品は、スラッシュメタルとは何たるかをはっきりと明示した紛うことなき名盤なのです。


注目曲
1. Menacing Thunder, 2. Kill for Pleasure, 5. Blood Lust

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82年結成と、生まれはmetallicaやslayer並みに早かった一応スラッシュ創世記のバンドの一つでありますが、デビューがあまりにも遅すぎました。90年のあの当時に、このようなdark angelやsadus, demolition hammerやpossessedらを彷彿とさせる大暴走スラッシュが受け入れられるはずもなく、結局これを出した直後にそのまま空中分解していったという、不運なこと極まりない隠れた良バンドであります。
kreatorのミレペトロッツァを更に尖らせ冷徹にしたようなボーカル、隙間なく敷き詰められた暴力的な音、キレキレのリフ、そして爆速疾走。スラッシュメタルバンドとしての確固たる地位を築く上で必要となる力は、十分に備わっていたバンドです。デビューがもう4,5年、せめて2年早ければもっと陽の目を見られていたかもしれません。考えれば考えるほど災難な話です。
demolition hammerがその名の通り槌で全てを破壊し尽くす存在であるとするならば、こちらは鋭利な刃物でどんな強固なものであろうと切り刻んでしまうような存在でしょうか。スラッシュメタル衰退期の誇れる巨兵たちであります。
85年や86年のスラッシュメタル全盛期にデビューしたバンドは、流行の波にでも乗ろうとしたのであろう連中が多くを占めていたために、なんだかんだでぼくのようなポンコツ脳のリスナーしか喜ばないプーなバンドが多かったわけですが、衰退期の連中は十中八九圧倒的な実力派であり、なおかつ本気であります。その分命は短かったわけですが、この名盤率の高さを前にしてそんな文句を垂れる者もいないでしょう。全てを賭けた、誰よりも熱い根性を持った誇れる漢達の、儚くも強烈な軌跡が生み出した伝説です。


注目曲
全曲

10 (っ'ヮ'c)チカ (っ'ヮ'c)チカ(っ'ヮ'c)チカ(っ'ヮ'c)チカ(っ'ヮ'c)チカ(っ'ヮ'c)チカ (っ'ヮ'c)チカ(っ'ヮ'c)チカ(っ'ヮ'c)チカ(っ'ヮ'c)チカ

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